ロスジェネ世代議員インタビュー 大坂隆洋(千代田区議)

大坂隆洋(千代田区議)

ポストコロナ時代にふさわしい「都心のまちづくり」

千代田区では131日の投開票で区長選と同時に区議会の補欠選挙が行われました。三人が立候補した補欠選挙は自民党公認候補で前千代田区議の大坂隆洋氏が12,807票を獲得して当選しました。大坂氏は12票差で次点に泣いた19年の区議選の雪辱を果たし区議会に19ヶ月ぶりに復帰となりました。

大坂区議は現在45歳でいわゆる氷河期世代にあたり自身も就職時には苦労した経験を持ちます。また中小企業診断士として地元企業の相談に乗るなど地元経済と関わりを持ち続けてきました。2019年には区議会において区によるロスジェネ世代への雇用対策を質問をおこない、「国や東京都に対しこの世代の就労 支援を今まで以上に行うよう協力に働きかけていきたい。」という区からの回答を引き出しています。

区議会に復帰してから約2ヶ月が過ぎた今月、大坂区議に話を聞き、千代田区政や地域経済の課題などについて考えを述べてもらいました。

現在の区政の主な課題について教えてください。

今の区にとって一番の課題はやはりコロナ対策です。いわゆる感染拡大防止や検査・医療体制の拡充などはもちろんのこと、地域の企業と地域で働く人々への対策が必要です。樋口新区長はまだ就任したばかりで今回の2月の定例会で審議された新年度予算の作成を主導しておらず、独自の企業対策などは今後出てくるものと思われます。対策を担当する商工観光課を通じて予算配分などで積極的な商工政策が採られるように期待しています。

氷河期世代に対する課題を教えてください。

2019年に区議会で千代田区における氷河期世代の雇用状況について質問をして、区におけるこの世代の雇用人数が他の年齢層に比べて著しく低い点を指摘しました。この後東京23区においては令和2年度で氷河期世代を37名程度を募集(採用は令和341日以降)、令和3年度にも同人数程度を採用予定しています。東京23区全体で37名だと、このうち千代田区へ配属されるのは1名いるかいないかという程度で、区における氷河期世代の雇用割合の他世代比ギャップの解消に到るほどではありません。区役所内における氷河期世代の雇用促進については引き続き声を上げていきます。

より一般的に現役世代に対する政策について教えてください。

まず都内の多くの家庭において介護、子育てを抱えながら両親は共働きという負担の大きい世帯が増えています。氷河期世代で正規雇用に就くことができない人々も同様に、なんらかの経済的・人的支援が必要な世帯に対して福祉政策(主に介護支援、育児支援、雇用支援および各種給付制度)を拡充することが各区においても重要課題となっています。

千代田区は23区の中でも平均収入が高い地域であり、このため幸いなことに経済支援を必要とする世帯の割合も他の区に比べると低いという状況です。一方でコロナ禍の影響で飲食店をはじめとする地元の中小企業は大きな打撃を受けており、地元経済の活性化を通じて失業や大幅な収入減を防ぐことが現役世代の労働者の生活を守ることにつながります。

千代田区独自の課題について教えてください。

千代田区は都心区域としてビジネスや交通など東京の都市機能の要となっています。千代田区における「まちづくり」は東京の都市として機能と魅力を決定づける大きな要因となります。

千代田区内でも区画が狭くかつ古い建物が多い地域では住環境の向上と耐震対策など住民の安心安全を確保するための再開発が必要となります。住民主導で各地で計画が進んでいますが、一般的に対象区域に区道が含まれるなど区も再開発に必然的に関わることになります。開発が区民の生活の質の向上につながるとように、また企業と行政が公正な関係を保つようにも区議会の立場から再開発の後押し及び行政監視を行なっていく必要があります。

そして「コロナ後の社会」では都心のありかたも変わってくる可能性があります。リモートワークの広がりやビジネス慣習の変化は都心の機能の見直しへとつながるでしょう。防災やテロ対策など「コロナ前」からあった課題に加えて、世界の各都心地域で「コロナ後のまちづくり」というものの方向性が問われています。千代田区も世界における都心のあり方の変化に遅れをとるわけにはいきません。都市デザインという点で、千代田区を含む都心地域は大きな分岐点にきているかもしれせん。政治(特に地方議員)は新しい時代の「まちづくり」において必要な後押しや住民の環境を守るため何が必要かを見極めるためにも、しっかりとした「コロナ後のまちづくりのビジョン」を持つべきでしょう。